こんにちは!たいようです。
G Suiteの無料サブスクリプションが5月20日に認可され、全校生徒と全職員がClassroomにログインするまで一週間かかりました。
導入決定が4月末。そこから約1か月の紆余曲折を経て、明日6月1日から実践運用に入る体制が、ようやくできました!!
今回の記事では、そこに至るまでの振り返りを行いながら、「導入時に気を付けたいポイント」をまとめてみたいと思います。
ここまでの取り組みについて気になる方は、以下の記事もあわせてご覧いただけたら!!
https://taiyolab.net/g-suite-for-education-apps/
導入時に気を付けたいポイント
教員一人一人のペースを尊重する
学校全体でのG Suite導入ということで、職員一人一人からの共感を得ることはいうまでもありませんが、これがなかなか難しかったりします。
人間誰しもが、何かしらの「現状維持バイアス」を持っているからです。
現状維持バイアスとは、変化によって得られる可能性がある「得(リターン)」よりも、それにより失う可能性のある「損失(リスク)」に対して、過剰に反応してしまう傾向のこと。
バイアスがかかるポイントは人それぞれであって、G Suiteのような新しい仕組みを導入しようとするときに、「今イチ乗り気になれない」と感じる人がいるのは当然のこと。それぞれが「自分の仕事スタイル」を持っているわけですから。
なので、自分の思いだけを一方的に伝えて一足飛びに導入を急ぐという方法は、好ましくありません。
本校の場合、管理職の許可を得たうえで、全体への導入プレゼンまでにいくつかのステップを踏みました。
- 導入に至った経緯を伝える。
- コストとセキュリティーについての情報を共有する。
- 導入のメリットを伝える。
- 前準備としてGoogle アカウントの設定とChromeのインストールをしてもらう。
4日間に分けて、①~④についてまとめたレジュメを配布しました。
加えて、雑談レベルでできるだけ多くの職員に方向性を伝えたり、④のアカウント設定やインストールがスムーズにできない職員のサポートも行いました。
ここにじっくり時間をかけました。
全職員を一斉にログインさせるのは大変(汗)
下準備をして時間を十分にとった上で、いよいよ職員全体でログインしてもらうための研修会を実施したのですが、これが大変!
プロジェクターでPC画面を投影しながら一つ一つ動作説明をしたのですが、スムーズにはいきませんでした(-_-;)
注意点をまとめますね。
- 職員一人一人のPC環境が微妙に違うことがあるので、前提条件をそろえるために、事前に確認した方がよいです。
- 仮パスワードを自動生成した場合、複雑な文字列が提示されますので、伝え方に工夫が必要です(拡大コピーするとか)
- 「アカウントの切り替え方」を繰り返し伝える必要があります。
- リテラシーの差はどうしてもあるので、サポートメンバーを複数配置した方がよいです。
この研修会の最終ゴールは「職員全員がクラスルームに入室してコメントをする」というものでしたが、想定外の出来事(自分のリサーチ不足ですが)が起こりました。
クラスに入れない職員が数名出たのです。
共通アカウントを作りましょう
一つのクラスに入室できる「教師」は20人までということがネックでした。
この点については、完全に自分のリサーチ不足でした。Twitterのフォロワーさんに助けてもらって解決にいたりました(汗)
対策は以下の通りです。
複数のユーザーが使える共通アカウントを作成し、職員ルームに情報を投稿したいときに使ってもらう。
本校の場合は職員数が25名という小所帯なので、5名の職員(非常勤講師とALT)には、自分で作成したアカウントのほかに共通アカウントを持ってもらうことにしました。
何かを投稿したいときは、共通アカウントを使ってもらうということです。
マニュアルを2種類用意する
実際にクラスルームに入室してもらった後は、クラスルームの使い方について慣れてもらう必要があります。
PDF版のマニュアルをクラスの共有フォルダに置きました。マニュアルについては、G Appsさんのものが読みやすくておすすめです。(無料ダウンロードできます)
文字媒体だけでは理解が進まない場合もあるので、YouTube動画のリンクも定期的に投稿しています。
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それぞれの職員が、使いやすい方を選択して進めてくれたらよいと思っています。
ログインできない生徒への対応
生徒にも事前にアプリのインストールとGoogleアカウントの作成をしてもらったうえで、ログインしてもらいました。
比較的スムーズにいきましたが、本校で見られた2つのログイントラブルと解決策について共有します。
① パスコード設定をしていない (iPhone)
パスコードとはiPhoneを起動したときに求められる数字入力。
最近は顔認証とか指認証で立ち上げられるためか、パスコードを設定していない生徒が何人かいました。
パスコードの設定方法は以下のサイトをご参照ください。
②管理者の許可を求められる
Android ユーザーに見られたのが、クラスにログインする際に「管理者の許可が必要」という表示があって、入れないということでした。解決策は以下の通りです。
- 管理者の方で、入室できなかった生徒アカウントのパスワードを再設定(同じパスワードだとスムーズに進む)する。
- 管理者のPCから、それぞれの生徒アカウントをクラスルームに入室させる。
- 入室が確認出来たら、管理者PCに残った生徒アカウントをログアウトさせる(情報を残さないため)
- 生徒はそれぞれ自分のパスワードを新たに登録して、ログインする。
運用チームをつくる
いよいよ実際の運用に入ることになりますが、G Suiteという新しい仕組みを持続可能なものにするために、本校では「運用チーム」を結成することになりました。
複数の教員でシステムを管理しながら情報を共有し、サポート体制を強化していきます。
従来からの「情報管理委員会」に新たな部門を立ち上げたということです。
チームで協力しながら、有効活用を進めていきます。
まとめ
いかがでしたか?
今回は僕の実際の経験から、立ち上げ期に気をつけたいポイントについての考えをまとめてみました。
僕自身、G Suiteの立ち上げの段階でいろいろな遠回りをしました。
当然のようにG Suite管理は初めてのことなので、この先も壁にぶつかるかもしれません。
しかし今後のことを考えると絶対に必要なインフラだと思っているので、是が非でも軌道に乗せたいと強く思っています。
この記事が皆さんのお役に立てたら幸いです。