こんにちは。たいようです。
児童生徒の教育を司る上で教科指導が軸となることは、言うまでもありません。
「教師は授業で勝負する」という言葉もあるように、授業の良しあしが児童生徒との信頼関係に大きな影響を与えます。
「授業力向上」は、我々教員にとって終わりなき至上命題であると言えます。
そこで今回は、「授業デザイン」をテーマに、「教材を作成する上で意識したい2つのポイント」を考えていきたいと思います。
「授業をデザインする上での思考法」についてまとめた過去記事も、よければご覧ください!
実現可能性:Feasibility
教材を作成するうえで欠かせない一つ目のポイントが、「実現可能であるのかどうか?」という視点です。
テクノロジーの発展によって、以前にはできなかったようなことが出来るようになりました。
例えば動画を組み込んだデジタル教材の作成も可能ですし、ZoomやMeetなどのビデオ会議アプリを使った遠隔交流も魅力的な教材になる。
しかし「日本の公教育下での実現可能性」という観点で考えると、こうしたテクノロジーの活用は、まだまだ「実現可能性が高くはない」という現実があります。
Wifi環境の未整備とデバイスの不足、教員間のICTリテラシーのギャップなどが主な理由です。
こうした課題を乗り越えるために、何かしらの手を打たない限り「実現可能性は低い」ということになります。
実現可能性を高めるには
【①Wifi環境の未整備問題】
Wifi環境が整備されていないというハード面での課題を乗り越えるためには「やろうとしていることがオフラインで出来ないか?」という視点をもつことです。
たとえば、
- Google Driveにアップロードした資料をオフラインで使えるように設定する
- 動画をMP4化してオフラインでも使える状態にする。
などの工夫が考えられます。
逆に、Wifiが整備されていない環境下では、オフライン化できないものは「実現可能性が低い」と言えます。
【②デバイス不足問題】
学習用タブレットが配布される自治体も今後増えてきそうですが、現状では学校PCを使うことが現実的な解決策になりそうです。
もう一つ考えうる方法は、生徒が持っているスマホを使うということ。
ただし所持率の課題や通信料の課題などがあるので、やはり学習用デバイスの整備は強く求めたいところです。
【③ICTリテラシー問題】
テクノロジーの活用を「机上の空論」で終わらせないために、教材作成にあたって教員間での役割分担を明確にしましょう。
複数の教員で一つの教科・科目の教材を作成する場合、ICTに強い教員が「テクノロジー・パート」を担当して教材を作るということです。
もちろん、他の教員が不自由なく使えるレベルにまで落とし込む必要があります。
「チームでの実現可能性」という観点を持てば、「何をどこまですべき」かという視点が出てくるはずです。
持続可能性:Sustainability
年間35週の中で継続して授業を行うわけですから、教材作成にあたって「持続可能であるかどうか?」という視点を持つことは大切です。
また教員は授業だけではなく、学級経営や分掌業務、あるいは部活指導(正式な業務ではありませんが…)など、多くの仕事を抱えています。
そんな中で良質なコンテンツ(教材)を作成し続けることが可能なのかどうか。いったん立ち止まって考える必要があります。
「手の込んだ教材をたまに作る」というのでは、持続可能性が低いと言わざるを得ないでしょう。
教材をテンプレ化しよう
教材をテンプレ化してしまうことで、持続可能性を高めることが出来ます。
もちろん最初のフォーマットを作成する段階で、「思考の流れ」や「問いの配置」あるいは「デジタルの活用」などを熟考する必要があります。
ベースとなるフォーマットが決まったら、それに沿って教材を作っていくことになります。実態に応じて多少のカスタマイズは必要ですが、基本的には年間を通して同じテンプレを使う感じです。
例えば私の場合、授業のワークシートとスライドは、すべての学年でフォーマットを統一しています。
高校3年生の教材も
高校1年の教材も同じフォーマットです。
さらに英文や英問英答の問題は教科書付属のCD ROMを効果的に使えば、作業時間が大幅に短縮されます。
本校で採用している教科書会社のCD ROMには音声データや文字データだけではなく、デジタル教材やテストメーカーも入っているので非常に便利です。
「持続可能性」を考えるうえで、豊富なコンテンツを取りそろえたCD ROMを選定するということも大事なポイントです。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、教材を作成するうえで大事な2つのポイントである「実現可能性:Feasibility」と「持続可能性:Sustainability」を考える記事でした。
この2つのポイントは多くの先生方が、暗黙のうちに習慣化していることかもしれません。
そこをあえて言語化するということを今回の記事のテーマにしてみました。
この記事がみなさんのお役に立てたら幸いです。
今回も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。