こんにちは。たいようです。
教壇に立っている人なら誰もが一度は悩むのが、「生徒の学力差をどう埋めるか」。
基本的に授業では同じ内容の題材を扱うわけですから、生徒の解答進度に差が出るということは避けられません。
どのレベルに合わせたワークシートを作るのかということは非常に難しい問題です。
優秀な生徒はすぐに解答し退屈な思いをし、できない生徒はできないまま次に進んでいくという負のスパイラル。
残念ながら学校の授業で「個別最適化」は難しいのです。
この命題に取り組むべく、これまでも色々な教授法が紹介されてきました。その一つに「共同学習」という方法がありますが、一部の生徒ばかりが発言して、他の生徒は「社会的手抜き」をするという場面も多く見られます。
残念ながらアナログには限界があるというのが私の結論です。
デジタルが最後の砦である。私はそう思っています。
ちょっと前置きが長くなりましたが、今回はGoogleドキュメントをベースとした「個別最適学習」と「共同作業」を実現させるワークシート案について書いてみたいと思います。
あくまでも技術的に可能であるということなので、実践で使用したわけではないということをご了承ください。
教材は高校英語とします。これから紹介するいくつかのメソッドは他の教科にも転用可能であるはずです。
音源ファイルを準備する
まずは、リスニングやスピーキングに使う音源を準備します。教科書付属CDをMP4ファイルにする必要があります。
私の場合は教科書CDの音源は全てApple Musicに取り入れていますので、MP4ファイル化したそれらを使います。
❶ 取り入れたい音源を選択し、右クリックで「Finderで表示」をクリックします。
❷ 同時にGoogle Driveを開いておいて、MP4ファイルのアイコンをドラックアンドドロップしましょう。
❸ 次にMP4ファイルのリンクを取得します。「リンクを知っている人が全員閲覧できる」ように設定を変えます。
❹ あとはハイパーリンクを貼り付けるだけ。クリックすると音源が流れてくるようになります。
自分のペースで何度でも音声ファイルを聞くことができるようになります。
アナログ版のワークシートの場合は音源をQRコード化する
ネット環境の問題で、アナログ版のワークシートを必要とする生徒も出てくることかと思います。その場合は、MP4ファイルをQRコード化するとよいでしょう。
Google拡張でQRコードGeneratorを追加し
MP4ファイルのURLを貼り付けることでQRコードを生成できます。
この画像をコピーしてワークシートに貼り付けましょう。
音声入力で発音練習
Googleドキュメントのすごい機能の一つが「音声入力」。精度もだいぶあがってきており、会議録でも使えるレベルです。
この機能を使って、生徒に英語を音読させます。実際に何回かやりましたが、とても盛り上がる活動でした。カタカナ読みでは英語として認識してくれないということを身をもって理解できるので、効果的な発音練習ができるようになります。
アイデアの発散を助けてくれるJamboard
ここからは、かなりチャレンジングなタスクです。ペアを作って協力しながら本文に関する問題を作ってもらいます。
その際、Jamboardを使ってブレインストーミングするというものです。
Jamboardのリンクを生成するときには、「リンクを知っている人全員が編集できる」設定にすることを忘れないようにしましょう。
ペアはあらかじめこちらで指定しても良いし、生徒たちの中で誘い合っても良いかもしれません。今回は、こちらから指定しました。生徒たちはJamboardを使ってアイデアを交換しながら問題を作っていくというタスクです。
❶ ワークシートに貼られているJamboardのリンクをクリックします。
❷ コメント機能で問題点を指摘しながら、ブレストをしていきます。
❸ ある程度ペースがつかめたら、Jamboard上でコミュニケーションをとっていきます。発言者ごとに付箋の色を決めたらわかりやすいかもしれません。
問題ができたらクラス全体にシェアしましょう。場合によってはFormで問題を作り、回答をクラス全体でシェアすることもできます。
題材にリンクしたYouTube動画を準備する
後に同じvideo clipを見て、気づきをまとめさせます。
手順は
❶キーワードを抜き出させる
❷内容をざっくりとまとめる
❸ペアで気付きを共有する
❹自分自身の考えを3行程度の英語でまとめる。
このタスクでもJamboardを使って話し合いを活性化させましょう。
Googleドキュメントの強みはハイパーリンク
以上のように一つのワークシート案をまとめてみました。Googleドキュメントの強みはなんといってもハイパーリンク。
学習効果が認められるものを順序よくリンクさせていくことで、これまでには作れなかったようなワークシートを作ることが可能になり、「個別最適学習」や「共同作業」といった課題も解決することができるようになります。
あとは教師それぞれの授業デザインにかかってきます。
まとめ
いかがでしたか。今回はGoogleドキュメントを使ったワークシート案についての記事でした。
ハイパーリンクを効果的に使うことで、目の前の生徒の興味関心を惹きつけ、実情にあった学習効果のあるワークシートを作ることが可能になりました。
最初は失敗することもあるかもしれません。
しかし失敗から学ばないと一歩も前に進むことができない。
せっかくツールが出揃っているのですから、勇気を持って色々試してみませんか?
自分なりのスタイルが確立するようになれば、これまでとは違った形の授業風景が生まれるはずです。
今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今回実験的に作ったワークシート。もし興味があればこちらからダウンロードしてみてください。