こんにちは。たいようです。
学習意欲の低い生徒をどのように学ばせるのか。これは、私たち教員にとって永遠のテーマですよね。今回は、アドラー心理学を参照しながら、学習意欲の低い生徒に対するアプローチを考えていきます。
こんな方にオススメ
- アドラー心理学に興味ある方
- 学習意欲を高める方法を探している学校の先生
- 教育困難校に勤務している先生
- 思春期のお子様がいらっしゃる方
- 学習意欲について研究している教員志望の学生の方
生徒の課題に介入するな!
僕が今勤務している高校には「勉強嫌い」や「学習障害」を抱えた生徒が多くいます。中学の段階で勉強に挫折し、自分に自信のない生徒たち。
そんな生徒たちに対して、僕はアドラー心理学をベースにした接し方をしています。このアプローチをとるようになってから、生徒との良好な人間関係を築くことができているという実感があります。
アドラー式の効果的なアプローチとは、生徒が何かしらの課題を抱えていても「介入」しないようにすることです。
介入という言葉の定義は
[名](スル)当事者以外の者が入り込むこと。争いやもめごとなどの間に入って干渉すること。「国際紛争に介入する」
出典:デジタル大辞泉 https://kotobank.jp/word/%E4%BB%8B%E5%85%A5-458229
介入というよりも、干渉という言い方の方がしっくりくるかもしれませんね。干渉されすぎると誰だって嫌になります。ましてや自分の弱みに対して干渉されると、「ほっといてよ!」という気持ちになりませんか?
アドラー心理学には、「自分の課題」と「他者の課題」を分けるという「課題の分離」という考え方があります。
馬を水辺に連れて行くことはできるが、水を飲ませることはできない」
出典:『嫌われる勇気』
教師にできることは、行動を変容させるためのヒントや考え方を提示することだけ。その方法を取り入れるかどうかを決めるのは生徒自身であるということです。
生徒の行動を受け入れよう!
では「課題の分離」という考え方を実際の教育現場で、どのように転用していけばよいでしょう?実際の例を考えてみましょう。
たとえば、明らかに退屈そうな顔をして授業は上の空というような生徒を見たときに、あなたはどう対応しますか?
アドラーはこう言います。
教育の目標は自立である。教育とは「介入」ではなく自立にむけた「援助」であるのだ。
出典:『幸せになる勇気』
つまり我々教師の課題は、ガツンと叱りつける(介入)のではなく、学びに向かうためのアプローチを考え実践する(援助)することなのです。
行動を変えるかどうかを決めるのは、生徒なのですから。
我々が提案した方法を受け入れて行動を変えてくれること。これを待たねばならないのです。
具体的な方法は?
「難しい」とか「わからない」から始まってその教科が嫌になるということはよくある話です。
なので我々教員が学習意欲の低い生徒に対してすべき援助は、授業改善です。
全てを書き出すとめちゃくちゃ長くなるので、ここでは3点だけ僕がいつも授業をデザインする上で心がけていることを紹介します。
① 生徒を飽きさせない授業
- 1時間の授業に3つ以上の活動を入れる。
- 説明はシンプルに。写真や動画を有効活用する。
- インプットのみで終わらせない。必ずアウトプット活動を必ず取り入れる
- 具体的で建設的なフィードバックを与える。
② 努力が報われるテスト
- 基本問題のみ。応用問題は出題しない。
- 授業にしっかりと参加していれば点数がとれるような問題を出題する。
- クラス平均を70点以上に設定したテストを作る。
③ 共感的な生徒対応
- 学校の勉強が全てではないという前提で生徒に接すること。
- たとえ成績が悪くても、個性を尊重してあげること。
- 生徒が持っている可能性を肯定的に信じてあげるということ。
でしょうか。(どれもごくごく当たり前のことかと思います。)
そもそも「学力」の定義は一つではない。教科書の内容を理解している生徒が賢いという学力観はナンセンスであると私は思っています。
まとめ
「課題の分離」という考え方、参考にして頂けたら幸いです。
最後までお付き合いいただいて、ありがとうございました☀️