
私は何度もありました(笑)しかし年齢的な問題や、養うべき家庭があったりして、転職をするということは、実行には移せませんでした。
折り合いをつけて現職を続けるにしても、モヤモヤした思いで残りの教員人生を送ることは、あまりにもリスクが大きすぎます。
ではどうすればよいのか。
教員という「ライスワーク」を確保しながら、「ライフワーク」になりうる「勝負スキル」を磨いていく
と発想を変えることが重要です。つまり
生活収入を確保しながら、「教員」という既存のタグにかけ合わせる2つ目、3つ目のタグを作っていく。そのための「勝負スキル」を磨く。
という「建設的な思考」を持つべきです。
複数のタグを持つことの重要性については、『100万人に1人の存在になる方法』(ダイヤモンド社)を参照してみてください。
そこで本記事では「教員やめたい」を乗り越えて、教員を続けながら新たなスキルを磨く具体的な戦略について、詳しく提案していきます。
【こんな人にオススメ】
- 転職したいけれど、現実的にはムリな環境にある人
- 教員の仕事にマンネリ感がある人
- 教員の新しい働き方を考えている人
目次
「3つのスイッチ」で視点を変える

モヤモヤした現状を打開するための思考法として「スイッチ法」がおすすめです。まず最初に、3つのスイッチを切り替えて視点を変えましょう。
- ゴールスイッチ:「目先の目標」から「人生の目標」に視点を切り替える。
- タイムスイッチ:時間軸を「短期」から「長期」に切り替える。
- ズームスイッチ:「業務時間内」から「業務時間外」に切り替える。
例えば、僕の場合は
- 「自分主導の働き方を実現する」という目標を立てる。
- 退職までの残り期間を逆算し3〜5年スパンで「勝負スキル」を磨く計画を立てる。
- 業務時間外でスキルアップに費やす時間を固定してしまい、それ以外のタスクは入れない。
といった感じで、モヤモヤした状況から視点を変えることに成功しました。
設定したタスクを確実に進めていくためには、時間管理アプリを使うと良いでしょう。Google Calendarが使いやすいのでおすすめです。「あと何日」というスマホアプリで目標達成までの時間を見える化する方法もよいかも。
そして自分自身のスキルと状況が整えば(副業解禁など)いつでも動き出せるように、その種の情報には常にアンテナを貼っておくことも大事です。
あとは未来の自分像と現実とのギャップを埋めていくために、具体的に行動しましょう。
モチベーションマネジメントついてより詳しく知りたい方は、『モチベーション・リーダーシップ』(PHPビジネス新書)がおすすめです。
教員を続けながら磨ける勝負スキルは?

教科指導のスペシャリストになる

担当教科の専門性を磨いて「勝負スキル」に変えていくことが最も効率的です。これまでの蓄積や経験もあり、基礎がしっかりとできあがっているからです。
「1万時間の法則」からすれば、すでにある程度の実力は備わっているかもしれませんが、さらに意識を高めて、「教科指導のスペシャリスト」を目指しましょう。
具体的な方法としては
- 研究授業にチャレンジする
- 学外の研究グループや学会のメンバーになって研究する
- SNS上のコミュニティに参加して情報交換を行う
- 実践を論文やブログにまとめてみる
- 日々の授業でPDCAを回しまくる
- 関連書籍を読み漁る
などが考えられます。良質なインプットとアウトプットを心がけましょう。
教科指導のスペシャリストとして認知されれば、大学教員や塾業界への転職、書籍出版などの可能性もゼロではありません。
仕事効率化のスペシャリストになる

仕事効率化のスペシャリストになることができれば、周囲から「仕事が早い」と評価され、職場内で一目置かれる存在になります。
さらに職場全体に改善方法を提案して、実際に効果が出れば、より強固な信頼が得られるようになるでしょう。
その積み重ねで自己効力感が高まる上に、残業に追われることもなくなるので、ポジティブな気持ちで仕事に取り組むことができるはずです。
思考法や実践方法に関しては色々な書籍が出版されているので、自分にあった書籍を選んで実行してみてください。
「仕事効率化」を追求する過程で、「批判的思考」や「仮説思考」など、仕事全般に使える思考も鍛えられていくはずです。
ICTのスペシャリストになる

そもそも学校教員はICTに弱い人が多いので(怒られるかも😅)職場内でのスペシャリストになることは難しくありません。積極的にICTを活用していきましょう。例えば
- Excelのスペシャリスト
- PowerPointのスペシャリスト
- G Suiteのスペシャリスト
- Keynoteのスペシャリスト
- iPadのスペシャリスト
- 効率化アプリのスペシャリスト
など、ざっとあげただけでも、「職場のスペシャリスト」になりうるポイントは色々あります。実際に使いながら力をつけていき、計画的に強化していきましょう。
最新のテクノロジーに触れることの利点は、結果にすぐに反映されるということ。操作に慣れさえすれば、多くのメリットを享受できます。
「これどうやったらいいの?」とかの問い合わせが増えるでしょうが、それはあなたが一目置かれている証拠。
ICTを使いこなすことで仕事効率化につながる側面もあるので一石二鳥です。
目的に応じてSNSを活用する

強化したい目的に応じて、SNSを積極的に活用することをおすすめします。
SNSは、職場という狭い枠を越えて、同じ興味や問題意識をもった日本全国の人たちと簡単に繋がれる、非常に優れたツールだからです。しかも無料!
例えば
【Facebook グループ】専門分野に興味のある人たちとのディスカッションを通して、見識を深めることができるし、リアルでの人脈づくりにもつなげることもできます。
【オンラインサロン】Facebookグループに近しいですが、著名人が運営しているために有料であることや、サロンによって当たり外れがあるので、色々試しながら自分にあったサロンを選択することをおすすめします。
【Twitter】140字という文字制限の中で意見をまとめて共感を得るというトレーニングを積むことで、発信力を強化することができるでしょう。
【NewsPicks】最新の世界情勢や経済情報をインプットできたり、有料会員になれば有益動画の視聴やNewsPics Academiaなどの自己啓発のプラットフォームにアクセスすることができます。
SNSを通して人脈が広がったり、特定の技能(Webデザイン能力など)があれば仕事のチャンスが舞い込んできたりすることも十分にありえます。
その際は「公務員の副業規定」をしっかりと確認してくださいね。教員の副業に関しては、副業ブロガー教員のぴいすさんのブログが参考になります。
ブログやYouTubeはじめてみる

トピックを問わず、ブログやYouTubeなどのWebメディアを始めてみることは、おすすめの方法です。メリットはたくさんあるので詳しくは他記事に譲ります。
ざっとあげると
- Webマーケティング
- ブランディング戦略
- Webライティング
- 動画編集
- サムネ加工
といった需要の高いスキルを身に付けることも可能。もちろんしっかりとコミットした場合ですが。
初期費用も安く、趣味の一環で将来の実益につながるようなスキルを鍛えることができるのでおすすめです。
収益化に関しては、公務員の副業規定をしっかりと確認した上で、挑戦できるようであればしてみてもよいのかなと思います。
自分磨きに集中できる環境を作るには
専門職大学院を希望する

専門職大学院で学び直しすることがオススメの方法です。1年ないし2年現場から離れて、専門分野を研究し直すことのメリットは非常に多いです。
大学院では
- 専門知識
- 思考力
- 論文読解力
- 論文作成力
- プレゼンテーョン能力
など、現場では身に付けることのできない能力が身につきます。
修士号を所得することで教科あるいは教育の専門家として周囲から認知されるようになります。現場復帰後は、指導的立場になることもあるでしょう。
最大のメリットは、現場から離れて自分の研究に没頭できるということ。この「サバティカル期間」に自分を見つめ直し、勝負スキルを確実に身に付けるという選択肢は非常に有益であると考えます。
小規模校勤務を希望する

生徒数が多い進学校に比べて、小規模校の方が自分のペースで仕事を進めることができます。
規模が小さいとフットワーク軽く動くことができるからです。当然、小規模校ならではの大変さもあるでしょうが、自分の意見が反映されやすいというメリットは大きいです。
学校の規模に合わせて教員の数も減るために事務作業の負担はそんなに変わらないですが、効率化をどんどん進めることで、定時退勤は十分に達成可能です。自分の時間が作れます。
また責任ある立場も任されやすいので、大きな組織で毎年同じような仕事(担任業)をするよりも成長がはやいかもしれません。
「断る勇気」をもつ

何よりも「断る勇気」をもつことです。
自分の勝負スキルを磨くことを最優先にするならば、業務以外の仕事に時間をとられるわけにはいきません。
部活顧問を完全に拒否することは難しいとするならば、負担の少ないポジションを希望してみてはどうでしょう。
分掌希望で管理職と交渉する際に参考になるブログはたくさんありますので、しっかりと理論武装して強気で自分の意見を主張してみましょう。
タグの掛け合わせでレアキャラになろう

「教員」というタグは実は優秀です。
児童生徒の心理面や学力を考慮しながら適切な手立てを講じる「調整力」や、前提条件がバラバラな集団を相手に、抽象的な事柄をわかりやすく伝える「プレゼンテーション能力」が備わっています。
そして理不尽な環境でも真面目にこつこつと働く「忍耐力」も身についているはずです(自虐的ですかね😅)
つまり「教員」という仕事に真摯に取り組んでいれば、どこにいっても戦える武器が身についているはず。あなたはすでに、優れた一つ目のタグをもっているのです。
「教員は民間企業で通用しない」という声がよく聞かれますが、「教員」という仕事に真摯に取り組んでいるとするならば、そういう声を気にする必要はありません。民間企業ではなく、自分で起業すれば良いわけですから(笑)
「教員」という一つ目のタグに、新しいスキルをかけ合わせることができるならば、希少価値の高いキャラになれる。そこに自信をもっていきましょう。
今回も最後までおつきあい頂き、ありがとうございました。